「初めての介護」は、加齢が原因で始まることが多く、若い時から習う機会もないのでだれもが手探りで始めることになります。急に介護が降りかかってくると、「この先どうしよう」「もう家には戻れない」、と不安が募ります。

ここでは、ネットで介護サービスを探し始める前に必要なポイント「基礎知識3つ」、「やること3つ」、「トラブル回避2つ」をご説明します。

介護のイメージは人によってさまざま。
サービス活用の「基礎知識3つ」を押さえておきましょう!

01. 介護は、自分でできなくなった部分を補うための公的サービスを活用します。

多くの方が、介護保険を利用して介護を始められます。(※介護保険制度にないサービスを利用したい、資金に余裕がある場合は自費サービスで購入することも可能です。)
介護は対人サービスなので、どうしても高額なサービスが多くなりますが、医療保険と同様に、日本では、国/地方自治体のサポートがありますので、自己負担分(現在1~3割負担)の支払いで済みます。

但し、医療保険とは異なり、利用開始前に「介護の手間」を測る手続きが必要で、介護保険の申請やプランを作成して、サービスの必要量を確認しながら利用を開始します。

02. 介護は、急に必要になる場合と、徐々に必要になる場合があります。

急に必要になる場合

脳梗塞や、心臓病、がん、骨折、交通事故などの急な病気や怪我で、身の回りのことにサポートが必要になった時。

徐々に必要になる場合

認知症や廃用性症候群(加齢と生活習慣により体が衰えてくる)などで、身の回りのことにサポートが必要になった時。一旦病気から回復したが、それをキッカケとして徐々に衰える場合もあります。

※日中独居、一人暮らし、介護者がご高齢の場合は、より介護サービスの必要性が高まります。

03. 介護は、身体や心の状態に合わせて、いろいろな介護方法があります。

介護サービスは、カタログで選ぶタイプの商品ではありません。
対人サービスが主流ですから、人が人に提供するサービスの品質を見定めるのは難しく、見かけだけで選びにくいサービスです。

更に細かい量の制限や、使用条件が決められているのに加え、サービス提供事業所によっての得意、不得意も加味しなければならないのが現状です。
実際に選定する場合には、本人の希望や適性に合わせたサービスを選ぶという必要も加わります。

脅すようで申し訳ありませんが、つまり、サービスの選び方は、考えているより案外ややこしいのです!

先を見越した組合せ方でなかったために、次のサービスにスムーズに移行できない場合や介護状態が重症化など変化した時に、必要なサービスの内容も量も提供の仕方も大きく変わります。ですので、最初から専門的な知識を持った相談者(地域包括支援センター職員又はケアマネージャー/相談無料)とともに介護サービスを選択して行くことをお奨めいたします。

やること3つ

介護が必要かな?と思ったら・・・
ネットで介護サービスを探し始める前にする事があります。

※相談者とは、地域包括支援センター職員又はケアマネージャーです

まず「やること2つ」を押さえておきましょう!

01. 相談者を決めましょう

  1. まずはご本人の住所地を担当する地域包括支援センターにご連絡ください。(地域包括支援センターの情報は、WEB検索や区役所で教えてくれます。)
  2. 地域包括支援センターに電話でケアマネージャー探しの依頼をして下さい。外出が難しい場合には、訪問もしてくれます。
  3. ご本人や介護者の状態や要望を伝えて、リストにある事業所の中から選択をしましょう。営業日時(土日祝夜)、併設の事業所、近さ、特徴(介護、相談、看護、薬、栄養に強い)などを聞いて、選択してください。知人の経験や近隣の評判、民生委員に相談するなどして、事業所に電話で依頼します。
  4. 選択した事業所へ依頼します。ご家族、ご本人が直接電話をするのが難しければ、代わりに地域包括支援センターが事業所へ依頼します。また、介護度が軽い場合はケアマネージャー事業所ではなく、地域包括支援センターの職員が担当する場合があります。
  5. 依頼しても、満員で受けられない場合があります。また、ケアマネージャーの指名も同様で断られる場合がありますのでご了承下さい。

02. 相談者と一緒に介護を始めましょう ~これからの流れ~

やるべきことは、細々とありますが、慌てないでください。
ケアマネージャーという相談者を決めれば、流れに沿って手配やサポートをしてくれます。

サービスの内容を選びます
ご本人と相談の上(相談できなければ、これまでのご本人の意向に照らし合わせて)どのようなサービスを組み合わせるかを考えます。ケアマネージャーと相談しながら、ご本人にとっても、介護者にとってもより良いサービスを選びケアプランを作成しましょう。

サービスを利用します
利用し始めたら、ご本人が継続できるか、サービスとの相性や効果はどうか様子を見ながら相談し調整していきます。ケアマネージャーは、ご自宅に訪問し毎月1回程度のプランの確認と相談をしていきます。
高齢者は若い人より環境に慣れるのには時間が必要です。最初は戸惑われますが、しばらくすると笑顔で利用される方が多いです。介護者による、利用のサポートが大切な時期です。

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【コラム】 相談者との付き合い方~コミュニケーションを取りましょう!

相談者が決まることで、これからの介護生活のパートナーが決まります。
最初からは、難しさを感じるかもしれませんが、コミュニケーションを遠慮せずに取るようにしてください。
ケアマネージャーは介護サービスを利用するのに必要なプランを作成し、サービス事業者の情報提供や見学や利用の調整・変更の手続きなどを行ってくれる存在です。

●最初に遠慮し過ぎないようにしましょう。わからなくて当たり前ですので、わからない事を質問したり、こんなサービスを使いたいと要望を出すことが大切です。
●サービス事業者に、直接、要望やクレームを言いづらい場合には、ケアマネージャーが代弁しますので遠慮なくご相談ください。
●介護状態は時間と共に変化しますので、それに合わせて、相談しながらサービスを変化させて一緒に進んでください。
●長く相談できる相談者だと良いのですが、相性や技量の点で期待に添わない場合もあります。その場合は、途中で相談者を変えることが可能ですので事業所の管理者や地域包括支援センターへご相談ください。

介護がスタートしたら、残りの「やること1つ」にチャレンジしてください。

03. 家族等の想いを確認しましょう。

病名が同じでも、治療はいろいろ。各々の家庭の事情によって違います。
介護もそれと同じで、近しい間柄でも、考え方や介護のイメージがそれぞれ異なります。すり合わせずに進んでしまうと、最後の看取りで、意見が割れてしまい大切なお見送りに影響が出てしまいます。

介護がスタートしたら、ゆっくりで構わないので、関係者で想いを確認する場を設けましょう。しかしながら、相続やこれまでの人間関係などで、場合によっては、話合いが不調になる場合もあります。
そんな時は、テーマを「介護」に絞り、ケアマネージャーが同席することで、介護環境や条件が明瞭になり、会話がしやすくなります。

介護によくある「トラブル回避2つ」を押さえておきましょう!

介護状態が始まった時が一番大変な山場といえます。最初に慌てて、先を危ぶみ、仕事や趣味や活動をすべて辞めてしまう介護者がおられますが、介護一辺倒の生活はお勧めしていません。

また、介護を始めると、正しい介護の方法でなければと頑張りすぎてしまう介護者がおられます。人生の最期をどのように過ごしたいか、ご本人が望む生活を選べているでしょうか?
ここからは、介護によくある「トラブル回避2つ」をお伝えします。

01. 最初から、介護者自身の生活と介護生活が両立した介護プランを作りましょう。

介護状態が始まった時が一番大変な山場といえます。
最初に慌てて、先を危ぶみ、仕事や趣味や活動をすべて辞めてしまう介護者がおられますが、介護一辺倒の生活はお勧めしていません。

プランが決まり、介護サービスの提供がはじまると、だんだんに落ち着いてくることが多いです。
最初の大変な時期だけ、介護休暇、介護休業をとり、プランが固まったら、介護者も自分の時間を楽しむ生活を続けてください。介護者の老後に備えて、介護離職はできるだけ回避することをお勧めします。

また認知症が進む中で、本人が介護者の願うような生活をしてくれず、介護者に精神的なストレスがかかり過ぎることがよくあります。
地域には、介護者の集いがありますので、同じ悩みや経験を持つ人々と交流することもお勧めします。YouTubeなどにでている介護者支援の情報も役立ちます。
最初から、自分の生活と介護生活の両方を並行して、余裕をもって介護生活を始めましょう。

02. 「正しい介護より、好きな介護」が豊かな介護生活を提供してくれます。

介護を始めると、正しい介護の方法でなければと頑張りすぎてしまう介護者がおられます。
リハビリや食の管理などで、正しくても無理な生活を続けていると、ご本人の意欲が減退したり、不穏な症状が増えてきたりすることが多く見受けられます。
結果として、介護者とご本人がストレスフルな関係に陥り、せっかくの愛情が空回りしてしまう例や、家での介護が続けられなくなるといった結果を招くこともあります。

正しくできるに越したことはありませんが、ご本人が望む生活やその人らしい人生の最期を過ごしていただけているかが大切です。人の手を借りるようになっても、自分らしい生活からかけ離れたものになることを誰も望んでいません。

皆さんのこれまでの人生を振り返ってみて下さい。豊かさをどんな場面で感じていましたか?
ご本人のこれまでのエピソードから「好き」とか「嬉しい」「笑顔」を掬い上げて豊かな介護生活を継続しましょう。

ご本人の意志を確認できない場合は、これまでの生活で関わった方々からの情報を合わせて上手に選択していくことが求められます。特に、親は子には親としての面しか見せていない場合があります。かつてのご友人や職場の関係者からのエピソードが役に立つ情報となります。
ご本人は、家族が困らないように、事前に終活ノートなどにご自分の意思を書いておくことが大切です。

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